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牛肉の部位別特性

牛肉の部位のおはなし



 牛肉の部位表示は、「食肉の小売品質基準」によって9部位に定められています。
@かた、Aかたロース、Bリブロース、Cサーロイン、Dらんいち(らんぷ)、Eヒレ、Fそともも、Gもも、Hばらの9部位です。
しかし、実際には更に細分されて、ばら肉は「かたばら」「ともばら」に、もも肉は「うちもも」「しんたま」に、それにネックすね肉の13部位「牛部分肉取引規格」に区分されます。





★牛かた

名  称 関西名 英 名
@みすじ う  で クロッド
Aとうがらし とんび チャックテンダー
B前すね 前ちまき シン

 一般的には、うでの部分を総称して「牛かた」と呼んでいます。さらにこの部分は、幾つかの細かな部位から成り立っています。
 牛かたは、総じてよく運動する筋肉が集まっている部位ですから、筋や筋膜が多く、肉の色はや濃いめです。よく運動する筋肉が集まっている部位です。
そのため、筋や膜が多く、肉の色がやや濃いのが特徴です。肉質は堅い部分になります。
肉の味は濃厚な部位なので、うす切りにして すきやき 、 しゃぶしゃぶ にするとたいへんおいしくいただけます。
また、いわゆるエキス分やゼラチン質も豊富に含まれていますので、 カレー や シチュー 、スープ などの煮込みものにも適しています。


★前すね    「牛部分肉取引規格での部位」


「前すね」は「ともすね」と同じく脂肪分がすくなく、腱や筋膜がたくさんあるので、 ブイヨン(スープストックあるいはだし) をとるのに最高の部位とされています。






★牛かたロース

名  称 関西名 英 名
@かたロース く ら し た チャックロール
Aく  び ね  じ ネ ッ ク

 肩の部分にあるロース部位を「かたロース」と呼んでいて、ロースの芯部を作っている胸(背)最長筋の最も頭にちかい前の部分で、この後部にリブロース、サーロインと続いています。第6〜7肋骨間で背線に対し、垂直に切断した「かた」の部分から「うで」「ばら」を除いた部分です。
 いかし、この部位でロース特有の持ち味があるのは、リブロースに続く全体の4分の3程度です。残りの部分は頭に寄った首の部分となります。
 「かたロース」は、ロース特有のきめの細かい肉質で、柔らかい風味のある優れた部位です。  ロースの芯部を構成する胸(背)最長筋の周辺の筋肉もきめ細かく、和牛などは脂肪交雑(霜降り)の入りやすい部分です。しかし、リブロースやサーロインに比べるとやや筋ぽいので、厚切りにして使う料理には不向きです。薄切りや焼肉用程度なら最適の部位といえます。
 脂肪が適度にあり、うす切り肉を使う料理に適しています。
 風味がよいのが特徴で、上質の すきやき  煮込みもの 、筋切りをして ステーキ にも使います。


★ネック(首)     「牛部分肉取引規格での部位」


「首」の部分は、よく運動をする部分ですから、きめが粗く堅い部位です。しかし、「すね」と同じく脂肪分がほとんどない赤身の部分が多いので、すくなく、 スープの材料  ひき肉 に最適です。



★牛リブロース

名  称 関西名 英 名
リブロース リブロース リブロイン

 ロース部位の主体となる部位です。牛肉の最高部位のひとつとされています。胸(背)最長筋と呼ばれる筋肉で、牛の背中にあたる部分です。かたロースとは第6〜7肋骨間で切断されており、ばら足の長さはロース芯から約5cmでそろえられています。
 「かた」から続く胸(背)最長筋の最も厚みのある部分ですから、その断面は大きく脂肪交雑(霜降り)のよく入ったものは、見事な鹿の子模様を呈しています。脂肪交雑(霜降り)の入らないものでも、きめの細かい優れた肉質を持っていますから「すきやき」「しゃぶしゃぶ」「ローストビーフ」「ステーキ」などの代表的な牛肉料理に利用されます。
 オーストラリアでは、リブロースの外側のやや堅い「かあぶり」と呼ばれる部分を取り除き、ほとんどロースの芯の部分だけにしたものを「キューブロール」と呼んでいます。アメリカでは、「リブアイロール」としてヒレ、サーロインと比肩する最高部位とされています。
 よく肥育された牛のリブロースは、霜降りが入りやすく、一般的な飼育の牛でもロース特有のすぐれた肉質なので、 すきやき、しゃぶしゃぶ、ステーキ、ローストビーフ  などに使われます。



★牛サーロイン

名  称 関西名 英 名
サーロイン ロ ー ス サーロイン
ストリップロイン

 「リブロース」から「らんぷ(らんいち)」に続く間の部位で、胸(背)最長筋の後部の主体をなしています。ロイン3点{リブロイン(リブロース)、サーロイン、テンダーロイン(ヒレ)}のうちサーの称号を冠する最高の肉質を持つ部位です。
 サーロインステーキは、ビーフステーキの代名詞のように言われるように、最高、最適の部位となっています。
 適度に霜降りが入っていると、一段と風味がよくなります。 サーロインステーキ、しゃぶしゃぶ、ローストビーフ として食卓の王様です。
 レストランなどでステーキを注文しますと、「焼き加減はいかがしますか」などと尋ねられます。
焼き方は、おおよそ次ぎのような呼び方でその程度を表します。

 焼き加減の注文できるステーキは、どんな焼き加減にも対応できる優れた肉質の部位である証拠でしょう。



★牛ヒレ

名  称 関西名 英 名
ヒ    レ ヘ    レ テンダーロイン

 牛の筋肉の中ではほとんど運動しないところですから、牛肉の部位の中で最もや柔らかい部位となっています。英名のテンダーは、まさにその名の通りの表現でしょう。
 サーロインの内側に位置し、肉のきめが細かく、断面に触れるとビロードのような感触があります。腎臓の脂肪の一部とその周辺の脂肪が付着していますが、ヒレ本体にはほとんど脂肪がありません。
 すぐれた肉質のうえ、1頭の牛からとれる量がわずか(ヒレの占める割合はわずか3%です)なので、珍重されています。
  ステーキ  ローストビーフ、 グリル料理 に適しています。
 肉質が優れて柔らかいヒレのようなところは、煮すぎたり、焼きすぎたり、過度の加熱をすると肉が極端に収縮して、逆に堅くなることもあるので注意してください。ステーキでは、ミディアムくらいまででお召し上がりください。また、その方が消化にもよいとされています。



★牛ばら

名  称 関西名 英 名
@かたばら かたばら ブリスケットポイントエンド
Aともばら ともばら ブリスケットネーベルエンド

 ばらは、肩の部分にある 「かたばら」 、と、リブロースやサーロインに接続する 「ともばら」 とに分けられます。「ばら」肉は総じて繊維質や筋膜が多く、かつ厚めで肉のきめも粗い方ですから、「すね」や「ネック」に次いで肉質は堅い部位となります。
 呼吸や横隔膜の運動などで常に動いている部位なので、肉のきめも粗く、肉質は堅いわけです。「かたばら」は肉に厚みがありますが、胸骨の周辺は特に堅い部位ですが、「かたロース」に接続する方は柔らかい部位になります。「ともばら」はこれより肉は薄めですが、「かたばら」とともに脂肪交雑の入りやすい部位で、濃厚な風味のあるのが特徴です。
 骨付き料理で有名なショートリブは、肋骨を付けたままで肉をカットしたものです。骨の周辺のうま味のあるところを同時に味わえる楽しい料理です。
 脂肪を含んだ独特のうま味を生かして、厚切りや大切りにした 煮込みもの や シチュー 、うす切りにして すきやき や 焼き肉、牛丼 などにすると、深みのある味が楽しめます。
 朝鮮料理の焼肉で「カルビ焼き」は、この「ばら」肉を使った料理です。また、カルビスープなどは、骨から出るコクのあるだしを珍重して、骨付きの「ばら」肉を使います。


★かたばら                  ★ともばら      「牛部分肉取引規格での部位」


 角切りや大切りにして煮込む料理に最適な部位ですが、脂肪を含んだ独特のうま味を生かして「すき焼き」「牛丼」にもできますし。野菜などとの煮込みでは、このうま味を十分に生かすことができます。



★牛もも

名  称 関西名 英 名
@うちもも うちひら トップサイド
Aしんたま ま  る シックフランク

 ももは、「うちもも」と「しんたま」の2つの大きな部位からなります。
 うちももは、肉のきめがやや粗いのですが、脂肪は少なく、赤身の多い部位です。牛肉の部位の中では、そとももと並んで大きな肉塊となっているところです。
  かたまり  大きな切り身で使う料理 にむいています。
 ローストビーフや「たたき」用のさくどりをするには、かなり整った形状で取り扱える利点があります。焼肉や煮込みなどにはもちろんのこと、かなり広い範囲の牛肉料理に向いています。外国では、ラウンドステーキと呼ばれ、健康志向にも適するステーキ用としてかなり普遍的に利用されています。
 しんたまは、うちももよりやや下のところに位置しています。しんたまの周囲のやや堅い部分をのぞいた部分は、「しん芯」と呼ばれ、肉のきめが細かくやわらかいので、 ステーキ むきです。


★うちもも                  ★しんたま      「牛部分肉取引規格での部位」


 うちももは、「ウチモモ」と「ヒラカワ」に区分できます。「ウチモモ」は ローストビーフ、たたき、しゃぶしゃぶ、すき焼き、ステーキ、あみ焼き、やきにく に適し、「ヒラカワ」は、角切りにして カレー、シチュー、煮込み など煮込む料理に最適な部位です。
 しんたまは、「マルシン」「カメノコウ」「マルカワ」「ヒウチ」に小割することができます。「マルシン」は、 たたき、ステーキ、肉さし、ユッケ 「カメノコウ」は、 あみ焼き、焼肉 「マルカワ」は、 あみ焼き、焼肉、カレー、シチュー 「ヒウチ」は、 あみ焼き、焼肉 の用途があります。



★牛そともも

名  称 関西名 英 名
@そともも そとひら シルバーサイド
Aともすね ともちまき シャンク

 ももの部位の中で、最も運動の多い筋肉部位です。そのため、筋繊維も粗く堅いところです。
 うす切りにしたり、角切りにして 煮込み料理 に使うなど、工夫次第でおいしくいただけます。
 この部位は、塩漬けにすると驚くほどやわらかくなり、発色して美しい肉色になります。欧米では、とくに好んでこの部位を 塩漬け肉(コンビーフ状) として、盛んに利用されています。
 ももと並んでたん白質が最も多く含まれ、育ち盛り向きの料理に適しています。
 「そともも」は、小分割にすると、「はばき」「しきんぼう」「なかにく」に分けられます。「はばき」はやや「すね」にちかい特質を持つ部位です。「しきんぼう」はきめの粗い部位ですが、欧米では塩漬けにして生コンビーフを作る最適の部位として盛んに利用されています。この他スライスで すき焼き 厚切りで やきにく、カツ 角切りで カレー、シチュー 用として料理されています。


★ともすね    「牛部分肉取引規格での部位」


「ともすね」は「前すね」と同じく脂肪分がすくなく、腱や筋膜がたくさんあるので、 ブイヨン(スープストックあるいはだし) をとるのに最高の部位とされています。



★牛らんぷ(らんいち)

名  称 関西名 英 名
らんぷ
らんいち
ら    む ラ ン プ

 らんぷは、サーロインに続く部位です。
 霜降りが入りにくいところですが、肉のきめは細かく、やわらかな赤身肉としては貴重な部分です。
 らんぷの上質のものは、ロースよりもやわらかく、おいしさの点でも優れており らんぷステーキ としてよく知られています。
  ロースト  すきやき に適しています。
 この部位は、「らんぷ」と「いちぼ」の2つに小分割されます。「いちぼ」は、肥育された牛では霜降り状の脂肪交雑が出て、風味の特に優れたところとして 刺身  たたき 用として珍重されています。また、タレに馴染みやすいため、焼肉用としても最適です。ほとんどの牛肉料理に利用されます。